【プレスリリース】植物間コミュニケーションによって,植物が将来起こり得る被害から身を守る仕組みを解明 ―香り物質を,身を守る配糖体に変換する酵素遺伝子を発見―

静岡大学 グリーン科学技術研究所/農学部 大西利幸教授,京都大学 生態学研究センター 高
林純示名誉教授,筑波大学 生命環境系 杉本貢一助教,サントリーグローバルイノベーションセ
ンター株式会社 小埜栄一郎主任研究員,山口大学大学院 創成科学研究科 (農学系学域) 松井健
二教授らの研究グループは,サントリー生命科学財団,名古屋工業大学,国際医療福祉大学と共
同で,植物の防御力を強化する配糖体の生成メカニズムを解明することに成功しました。
昆虫に食べられた植物は香り物質を発散します。被害を受けた植物から発散された香り物質は,
危険を知らせる「警戒情報」として近くの健全な植物に取り込まれます。この香り物質 (警戒情
報) を取り込んだ健全な植物は,前もって防御を開始します (植物間コミュニケーション)。こ
の受容から防御にいたる機構の一つに,健全な植物が取り込んだ香り物質を配糖体に変換するこ
とがトマト株でわかっています。しかし,健全なトマト株が,「どのように」香り物質を配糖体に
変換しているかは分かっていませんでした。私たちは,植物間コミュニケーションによって植物
が身を守る仕組みを解明するために,香り物質を配糖体に変換する酵素の探索に取り組みました。

本研究成果は,2023年2月8日に国際雑誌「Nature Communications」オンライン版に掲載されました。

本研究の一部は、筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センター・遺伝子実験センター「形質転換植物デザイン研究拠点」共同利用・共同研究等の支援を受けて実施されました。

詳細はプレスリリースをご覧ください。

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