研究成果

Frontiers in Plant Science誌へ京都大学高林純示教授、杉本貢一助教らの論文が掲載

形質転換植物デザイン研究拠点において共同研究者である京都大学生態学研究センター高林純示教授の論文が掲載されました。
植物は揮発性化合物を利用して周りの植物とコミュニケーションをとることが知られています。例えば、害虫の被害を受けたトマトは様々な揮発性化合物を放散し、周囲の未被害植物に害虫の接近を知らせます。これまでの高林教授らによる研究から、周囲の植物は揮発性アルコールの一種Z3ヘキセノールを取り込み、防衛物質として働く配糖体に変換することで、その後の害虫による被害を抑える事を明らかにています。
本論文では、食害植物から放散される揮発性化合物群の主要なグループであるアルデヒドやエステルがどのような運命をたどるのかを調査しました。周囲の植物に取り込まれた揮発性化合物はアルデヒドレダクターゼやエステラーゼの作用を受け、最終的にはアルコールと同様に配糖体化されることをシロイヌナズナ変異体やトマトを利用して示しました。本研究結果は自然界での植物間コミュニケーションの全容を解明する一歩として、揮発性化合物の運命を明らかにした研究になります。

【掲載論文】
Processing of Airborne Green Leaf Volatiles for Their Glycosylation in the Exposed Plants.
(植物によるみどりの香り配糖体化に至る代謝変換)
Sugimoto K, Iijima Y, Takabayashi J, Kenji M
Front. Plant Sci. (2021) 12:721572. doi: 10.3389/fpls.2021.721572

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