三浦謙治教授等の研究成果がInternational Journal of Molecular Sciences誌に掲載されました。
地球温暖化の影響のため、世界的に温度上昇がみられ、高温ストレスが世界的な問題となってきています。特に農業という視点から、高温ストレスは植物の成長を阻害するとともに、収量の減少を引き起こすことにつながっています。このことは世界で最も生産されている果菜類であるトマトでも例外ではなく、高温障害として、葉や花に影響を与え、植物の成長を大きく抑制します。本研究では、トマトにおける光受容体フィトクロム変異体phyAおよびphyB1B2が栄養成長期において高温ストレスに耐性を示すことが示されました。トマトをガラス温室内で栽培する場合、夏は最高気温が50℃以上に達することも少なくない状況です。そのようなガラス温室内では、通常トマトは萎れたり、弱ってきたりします。一方で、phyA, phyB1B2変異体は良好な生育を示しました。これは、これらの変異体において、高温時における膜の安定性が強化されたためと考えられます。本研究では、Money Makerとよばれる中型トマト品種を用いました。そのため、この変異を交配あるいはゲノム編集などで、ほかの品種に導入することで、高温ストレス耐性トマトの作出につながるものと期待されます。
本研究は本学三浦謙治教授、江面浩教授、壽崎拓也准教授のグループおよび大阪府立大学吉原静恵助教、株式会社カネカ濱田晴康主任の共同研究による成果です。
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