オゾンには人や植物に対する毒性があり、大気中濃度の高い都市やその周辺において作物や樹木に様々な被害をもたらします。国立環境研究所 生物多様性領域 環境ストレス機構研究室の佐治章子らは、筑波大学 小野道之准教授らとの共同研究により、モデル植物シロイヌナズナを用いた分子遺伝学的研究により植物のオゾン耐性に関わる遺伝子を探索しました。その結果、これまでほとんど機能が知られていなかったフィトシアニンと呼ばれるタンパク質群が植物のオゾン耐性を高める機能を持つことが明らかになりました。これは、オゾンが気孔を通して植物に取り込まれた後の新規オゾン耐性機構の発見であり、オゾンに強い作物や樹木を作成できる技術の開発が期待されます。
本研究の成果は、2022年12月22日付でSpringer-Natureから刊行される学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。
本研究の一部は、筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センター・遺伝子実験センター「形質転換植物デザイン研究拠点」共同利用・共同研究等の支援を受けて実施されました。
詳細は国立環境研究所のプレスリリースをご覧ください。
生命環境系 小野道之 准教授