アイスプラント由来の耐塩性遺伝子を利用した耐塩性遺伝子組換えユーカリの開発・評価に関する論文がPlant Biotechnology Journal誌に掲載されました。
小口太一助教、渡邉和男教授、菊池彰教授らの研究グループは、東京農工大学、日本製紙との産学共同研究グループにより、塩生植物アイスプラントから単離したRNA結合タンパク質(McRBP)遺伝子を導入による新規耐塩性遺伝子組換えユーカリを開発しました。McRBP遺伝子は機能性スクリーニング法によってアイスプラントから単離された新規の耐塩性遺伝子でRNAシャペロン活性を有します。
McRBP遺伝子を導入した遺伝子組換えユーカリ(Eucalyptus camaldulensis) は、T-PIRC遺伝子実験センターの特定網室を利用した耐塩性評価試験により、(1)過酷な塩ストレス条件での生存率の向上、(2) 塩害地を模した塩ストレス条件での成長阻害の緩和を示しました(図)。
本成果は、Plant Biotechnology Journalに掲載が受理されました (オンライン先行公開2018.9.19)。本研究の一部は、形質転換植物デザイン研究拠点共同研究として実施されました。
[掲載論文]
Development and evaluation of novel salt-tolerant Eucalyptus trees by molecular breeding using an RNA-Binding-Protein gene derived from common ice plant (Mesembryanthemum crystallinum L.)
(アイスプラント由来のRNA結合タンパク質遺伝子を利用した分子育種による新規耐塩性ユーカリの開発とその評価)
Tran NT, Oguchi T, Akatsuka N, Matsunaga E, Kawaoka A, Yamada A, Ozeki Y, Watanabe KN, Kikuchi A.
Plant Biotechnology Journal in print (オンライン先行公開2018.9.19)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/pbi.13016