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論文掲載:NaturePlants 2015年9月号 (柴博史教授ら)

【掲載論文タイトル】Calcium signalling mediates self-incompatibility response in the Brassicaceae.

【著者】 Iwano, M., Ito, K., Fujii, S., Kakita, M., Asano-Shimosato, H., Igarashi, M., Kaothien-Nakayama, P, Entani, T,
    Kanatani, A, Takehisa, M, Tanaka, M, Komatsu, K, Shiba, H, Nagai, T, Miyawaki, A, Isogai, A and Takayama, S.

プレスリリースより抜粋
「植物が動物の神経細胞と似た分子を使って情報を伝達し、近親交配を防いでいた
 〜植物が自分の花粉を認識して排除するまでの情報伝達の仕組みを解明〜」
【概要】

多くの植物は、自分の花粉が雌しべに付いても受精せず子孫の種子を作らない 「自家不和合性」と呼ばれる仕組みを持つことにより、近親交配を避けている。 本研究ではシロイヌナズナを材料に雌しべが自分の花粉と認識したあと、その情 報に基づいて受精を避ける際の詳細な仕組みをつきとめた。雌しべの細胞内にカ ルシウムイオンが流入し、それがきっかけになって花粉が吸水できなくなること を発見したもので、その時にグルタミン酸受容体という動物の神経細胞がカルシ ウムイオンを取り込む際に機能する分子も関与していた。

今回の研究により、植物が動物と同様にカルシウムイオンを利用した情報伝達の 仕組みを発達させていることがわかった。植物が病原菌を認識した時などにも細 胞内のカルシウムイオン濃度が上昇することが知られており、本研究により植物 の情報伝達の仕組みの理解が深まり、病気に罹りにくい植物の開発などに結びつ いていくことが期待される。

Iwano, M., Ito, K., Fujii, S., Kakita, M., Asano-Shimosato, H., Igarashi, M., Kaothien-Nakayama, P, Entani, T, Kanatani, A, Takehisa, M, Tanaka, M, Komatsu, K, Shiba, H, Nagai, T, Miyawaki, A, Isogai, A and Takayama, S. (2015). Calcium signalling mediates self-incompatibility response in the Brassicaceae. Nature Plants, 1, 15128. http://www.nature.com/articles/nplants2015128

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